~千紀園 草津本店~犬走りのトンボ

スタッフブログ
2025.10.6

千紀園の茶房からトンボが見える?

今年の夏は大変厳しいものでしたが、暑さもやわらいで、すっかり秋らしい気候となりました。

お散歩にもよい季節となり、外を歩くとトンボが飛んでいるのをしばしば見かけます。

夏は青や緑のトンボが多かったのに対し、今の時期は赤いトンボをよく目にします。
自由に高速で飛び回る姿には強い生命力を感じ、時には圧倒されることも……。

実は、千紀園 草津本店にもトンボがいるのをご存じでしょうか。

茶房の窓から見える犬走りには、職人さんが遊び心で取り入れたトンボの意匠が施されています。

千紀園茶房側犬走りに施されたトンボの意匠

どことなくのんきそうで、ユーモラスな姿ですね。

千紀園茶房側犬走りに施されたトンボの意匠



縁起物としてのトンボ

日本では、トンボは古代より身近で親しみを感じさせる昆虫でした。

水田に発生した害虫を捕食することから、益虫としてありがたい存在だったようです。

また、トンボは前にのみ進み、後ろには下がらないことから「勝ち虫」とも呼ばれ、勝利をもたらす存在として戦国武将に好まれました。

その証拠として、トンボの意匠が施された当時の兜や鎧が多く残されています。


江戸時代に入ると、武家だけでなく庶民の間でもトンボのモチーフが好まれるようになります。
トンボの姿をあしらった多くの工芸品が誕生し、現在も美術館や博物館で目にすることができます。

メトロポリタン美術館所蔵、葡萄に勝虫図鐔
葡萄に勝虫図鐔 18-19世紀 メトロポリタン美術館所蔵
蜻蛉蟷螂蒔絵印籠 メトロポリタン美術館所蔵
蜻蛉蟷螂蒔絵印籠 19世紀 メトロポリタン美術館所蔵

現代でも「勝ち虫」としての効果が期待されているようで、剣道の竹刀袋や面手ぬぐいにトンボがデザインされています。

何か勝負に臨む際には、縁起をかついでトンボのアイテムを取り入れてみるのもいいですね。

トンボの茶道具

茶道具では、秋を感じさせるモチーフとして取り入れられることが多いです。

千紀園オンラインショップでは、トンボの図柄の茶道具も販売しております。
※在庫がなくなり次第終了。売り切れの際はご容赦ください。

茶碗 色絵 赤とんぼ・加藤 起楽

「茶碗 色絵 赤とんぼ・加藤 起楽」



 2025.10.6

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