~千紀園 草津本店~ちょうなはつりの引き手

スタッフブログ
2025.7.8

草津本店の入口は、木製の引き戸となっております。

千紀園草津本店の入口


引き手も木製で、近づいてみると独特の削り模様が見えます。

千紀園本店入口引き戸の持ち手



千紀園本店引き戸引手のアップ写真


これは「ちょうなはつり」という技法で削られたものです。

ちょうなはつりとは、「ちょうな(「釿」、または「手斧」と書く)」という伝統的な工具を使用して、木の表面 を削って加工する技法のことです。

手作業でなければできない仕事で、木の表情が出て、温かみと味わいのある仕上がりになっています。

工具のちょうな
伝統工具「釿(ちょうな)」


釿は古来より使用されている大工道具で、石器時代より存在していたとか。

主に、建材である柱や梁を削るのに使用されていました。


中世の社寺縁起絵(神社や寺院の創建の由来を描いて絵巻物にしたもの)においても、大工が釿を使用する様が描かれています。


絵巻物春日権現験記繪で釿を使用する様子
高階隆兼 [原画] ほか『春日権現験記繪』巻1,閑野永甫 [ほか4名写],天明4 [1784]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2590960 (参照 2025-07-08)

機械の発達した現代ではあまり使用されなくなった道具と技法ですが、手仕事ならではの素朴さが感じられます。

千紀園 本店では、出入り口の引き手だけではなく、店内階段部分のてすりも「ちょうなはつり」で作っています。

本店にお越しの方は、ご覧になってみてくださいね。

千紀園本店店内の手すり

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