味や香りだけではない茶葉から淹れた緑茶とペットボトルのお茶の違い
- 日本茶
- 2020.10.29
目次
ペットボトルの緑茶はお手軽ですが、急須で茶葉から淹れた緑茶を、ゆったりと楽しむのもよいものです。
茶葉から淹れた緑茶は、味や香りがよいだけでなく、茶カテキンやテアニンといった成分が豊富に含まれ、栄養や効能がペットボトルの緑茶とは格段に違うことをご存知ですか。
茶葉から淹れた緑茶で、毎日を元気に美味しく、リラックスして過ごしましょう。
茶カテキンは茶葉から淹れたお茶がペットボトルの2.5倍というデータも
茶カテキンは植物ポリフェノールの一種で、お茶に特有の成分です。
ポリフェノールは植物の色や渋み、苦味の成分で抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を減らし生活習慣病の予防にもなると注目されています。
茶カテキンには、いくつかの種類がありますが、その中でも特に抗酸化作用が強いのがエピガロカテキンガレートです。
これは緑茶以外の植物からはまだ発見されていません。
茶カテキンは、生活習慣病の予防だけでなく、新型コロナウイルスなどのウイルスや細菌の働きを弱めたり増殖を抑えたりする作用、口内環境の正常化、美肌効果、免疫力の向上など、たくさんの嬉しい効果をもたらしてくれます。
京都府消費生活科学センターのテストによると、茶葉から淹れたお茶のカテキンの量は、平均するとペットボトルの緑茶の2.5倍であることがわかりました。
茶カテキンは煎茶に多く含まれています。
茶葉から淹れた緑茶とペットボトルの緑茶のアミノ酸(テアニン)の量の違い
緑茶には旨み成分アミノ酸が含まれています。
そのアミノ酸の半分以上を占めるのがテアニンです。
緑茶を飲んだ時に感じるほのかな甘みはテアニンやグルタミン酸などによるもので、カフェインや茶カテキンの苦みや渋みと相まって、緑茶の複雑な美味しさのもとになっています。
テアニンは旨みとしてだけでなく、緑茶に含まれるカフェインの興奮抑制作用を持っています。
カフェイン自体にも覚醒作用や利尿作用、運動能力の向上といった効果があるのですが、脳が興奮し過ぎると眠れなくなってしまいます。
しかし緑茶には、バランスよくテアニンとカフェインが含まれているので、カフェインが劇的に働くのを抑え、適度な興奮作用にとどめてくれるのです。
また、テアニンは、リラックスや快眠、PMS改善、冷え性改善などに効果があるとも言われています。
関連記事:緑茶によってもたらされるストレス軽減と不眠改善の効果とは
テアニンは、緑茶の中でも抹茶と玉露に多く含まれています。
静岡県環境衛生科学研究所の調査によると、茶葉から淹れた緑茶には、1煎目にはペットボトルの約5倍のテアニンが含まれていることがわかりました。
2煎目なら約4倍、3煎目でもペットボトルのお茶のテアニンの量を上回る、という結果が出ています。
ペットボトルに含まれる添加物
緑茶を茶葉から淹れると茶碗の底に沈殿物ができます。
この沈殿物に緑茶の栄養分が豊富に含まれているのです。
しかし、この沈殿物は日持ちしにくく、ペットボトルの緑茶を作る際には、これを取り除いてしまいます。
すると栄養成分がなくなってしまうので、代わりに「緑茶抽出物」を添加しています。
その他、緑茶の変色を防ぐためのビタミンCも添加されていますが、このビタミンCはブドウ糖を人工的に還元した食品添加物で、天然のビタミンCと比較すると体内への吸収は5分の1しかありません。
茶葉から淹れたお茶には食品添加物はもちろん入っていません。
もともと、緑茶の中でも煎茶は天然のビタミンCを多く含んでおり、その量はレモンの3~5倍だと言われています。
茶葉から淹れた緑茶とペットボトルのお茶の1杯あたりのコストの差は?
茶葉とペットボトルのお茶を比べた時、茶葉のお値段がどうしても気になる方もおられるでしょう。
しかし実は、ペットボトルのお茶を湯飲み1杯あたりの価格で計算し直してみると、100g2000円ほどの茶葉で淹れたお茶1杯分と同じくらいの値段になるのです。
もう少しお安めな茶葉を使用すると、コストも下がりますし、茶葉の方がおトクかも…と感じますね。
外出先などで急にお茶が飲みたくなったときなど、すぐ購入して飲むことができるペットボトルのお茶は、大変ありがたい存在です。
確かに、茶葉から淹れるお茶はすぐには飲めませんし、茶葉から淹れるのはハードルが高いと感じる方もおられるのでは。
しかし、ひと手間かけただけで、ペットボトルのお茶とは段違いの味や香りを楽しめるだけでなく、さらに多くの栄養や効能を得られます。
ぜひ、茶葉から淹れた緑茶をお楽しみください。
〇今回ご紹介した紹介
千紀園スタッフ 2020.10.29
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