
~草津本店の庭より~アジサイ
- 読みもの
- 2025.6.11
梅雨はアジサイの季節です
6月中旬の現在、千紀園のございます滋賀県草津市は、曇り空や雨空の日が多く、梅雨らしいお天気が続いています。
今年の近畿地方は、平年よりもやや遅い梅雨入りだったようです。
湿度が高く過ごしにくい時期ですが、千紀園草津本店の庭ではアジサイが色づき、癒しをもたらしてくれています。

写真のアジサイは、つぼみの時は薄いグリーンだったのが、開花が進むにつれてピンクに色づいてきました。
アジサイの花色は、土壌がアルカリ性だとピンクに、酸性だと青色に咲く傾向があるそうです。
子どもの頃に学校の実験で使ったリトマス試験紙とは逆の色ですね。
つぶつぶとして可愛らしいつぼみがたくさんついたアジサイも植わっています。

咲き方を見たところ、こちらはガクアジサイなのではと思います。
こちらで紹介したものを含めて、千紀園草津本店にはアジサイが3株植わっていますので、ご来店の際にはぜひそれぞれの花を見比べてみてください。
アジサイってどんな花?
日本のアジサイ
紫陽花は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木です。日本には古来より自生し、万葉集にも詠まれました。
もともと日本に自生していたのはガクアジサイのみだったと言われています。
江戸時代の本草学者である岩崎灌園(いわさき かんえん(1786-1842))がまとめた植物図鑑『本草図譜(ほんぞうずふ)』には、アジサイを紹介したページがあります。

画像の左側のページに描かれているのがガクアジサイです。
極小サイズの花の集合体の周りを大きめの装飾花が囲んでいます。
この装飾花の部分が額縁のように見えることからガクアジサイと呼ばれるようになりました。
ページ右側に描かれているのは、ガクアジサイを日本で観賞用に品種改良して生まれたてまり咲きのアジサイです。
名前のとおり丸いてまりの形に咲き、かわいらしい印象です。
西洋アジサイ
アジサイと言えば日本固有の植物という印象がありますが、実は近年園芸店では西洋アジサイと呼ばれるものも多く販売されています。
江戸時代後期、オランダ商館付のドイツ人医師であったシーボルト(1796-1866)が日本から帰国する際、多くの動物標本や植物を持ち帰りました。
その中に入っていたアジサイが現地で品種改良され、誕生したのが西洋アジサイです。
それが日本に逆輸入され、人気を博すようになりました。
日本のアジサイと比べると花が大きくて華やかかつ色が豊富なこともあり、母の日のプレゼントとして、カーネーションを凌ぐほどの人気と存在感があります。
茶花として
またアジサイは、6月の茶花として用いられます。
種類が豊富なため、好みに合わせて品種を選ぶことができます。
茶花としては大きいアジサイは不向きで、小ぶりで楚々としたものの方がお茶室の雰囲気になじみ、好まれるようです。
6月にお茶会にお出かけの方は、お茶室でアジサイに出会うかもしれないですね。
千紀園スタッフ 2025.6.11
関連記事
-
6月下旬の現在、滋賀県草津市は雨空と曇り空が交互にやってき[…]
-
緑茶を丁寧に淹れるときは、急須を使いたいもの。急須の選び[…]
-
大人の女性を中心に高い人気を誇っている抹茶スイーツ。その[…]
-
毎年何気なくお中元を贈っているけれど、お中元のことはよく[…]