茶釜でお湯を沸かすのにIHヒーターを使用するには
- 茶道具
- 2024.8.19
目次
茶道において、「釜」はお湯を沸かすための重要な道具です。
「釜」は茶道具として長い歴史を持ち、日本文化において重要な役割を果たしてきました。
伝統的には炭を使って釜を加熱しますが、現代では利便性や安全性の観点から、IHヒーターを使用する方法が注目されています。
すでに茶道のお稽古の際、IHヒーターを使用してお湯を沸かしている方もいらっしゃるでしょう。
茶釜をIHヒーターで使用する際の注意点や必要なアイテムについて、詳しく解説します。
茶釜をIHヒーターで使用する際の注意点
釜の熱源は、炭・電気コンロ・IHヒーターとなります。
茶道の教室でも、本格的に炉を使うところもあれば、風炉の中に炭型電気コンロを入れたり、炉風のIH置炉を使ったりするなど様々です。
IHヒーターを使用するメリットは、火を使わないため安全性が高いこと、そして温度調整が簡単にできる点です。
また、火を使わないため煙や火気の心配がなく、室内の空気を汚さないという利点もあります。
ガスは、火力が強すぎて釜を傷めてしまう可能性があるので、使用しないようにしてください。
茶釜の選び方
茶釜を選ぶ際には、まず「IH対応」の表示があるか、または釜の素材が鉄や鉄鋼かどうかを確認してください。
IHヒーターは磁力で鍋底を加熱する仕組みのため、茶釜が磁力に反応する素材である必要があります。
一般的に、鉄や鉄鋼を使用した茶釜はIHヒーターに適していますが、銅やアルミニウム製の茶釜は、磁力に反応しないため使用できません。
お手入れが楽で錆びない釜も、IHヒーターには使用できません。
関連記事:茶の湯に欠かせない茶道具「釜」には錆びない釜もございます
また、茶釜の底が平らであることも重要です。
底面が平らで厚みが均一なものがIHヒーターとの相性が良いです。
底が丸いと、IHヒーターとの接触面が少なくなり、効率的に加熱できません。
また、茶釜の重量や底面のサイズにも注意が必要です。
重すぎる茶釜はIHヒーターの耐荷重を超えてしまう可能性があるため、購入前にヒーターの対応重量を確認しておきましょう。
IHヒーターの選び方
茶釜を加熱するためのIHヒーターは、温度設定が細かくできるものを選ぶと良いでしょう。
特に茶道においては、お湯の温度が茶の味わいを大きく左右するため、安定した温度調整が可能なIHヒーターを選ぶことが重要です。
釜の保管方法について
茶釜の保管方法にも注意が必要です。
IHヒーターと相性のよい鋳鉄製の茶釜は、湿気や錆に弱いため、使用後はしっかりと乾燥させることが重要です。
使用後に内部を拭き取り、蓋を開けたまま自然乾燥させることで、錆を防ぐことができます。
また、茶釜を保管する際には、風通しの良い場所を選びましょう。
茶釜が錆びてしまうと、お湯の味や香りに影響を及ぼすだけでなく、茶釜そのものの寿命も短くなってしまいます。
茶釜をIHヒーターで使用する際に関連する茶道具
ご自宅で気軽に抹茶を点てる場合などには必須ではありませんが、茶釜をIHヒーターで使用する場合、「IH用置炉」をお使いになられるのもおすすめ。
IH用置炉は、現代の茶道での利便性を考慮して作られた道具で、伝統的な置炉と見た目は似ていますが、内部にはIHヒーターを置くことができるようになっており、炭火を使わずに茶釜を温めることができます。
茶道具 IH専用置炉
※IHヒーター、炉縁・炉釜等商品以外のものは別売です
茶釜をIHヒーターで使用し、現代の生活に合わせた新しい形の茶道を
茶道具である茶釜をIHヒーターで使用することは、現代の茶道における新しいアプローチです。
伝統を重んじながらも、現代の技術を取り入れることで、茶道の楽しみ方が広がります。
IH用置炉などの茶道具も合わせて使用することで、安全かつ効率的に茶釜を使用でき、伝統と現代技術の融合を体験できるでしょう。
茶道の精神を守りつつ、現代の生活に合わせた新しい形の茶道を楽しんでみてはいかがでしょうか。
千紀園スタッフ 2024.8.19
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