~草津本店の庭より~秋明菊

スタッフブログ
2025.9.12

秋明菊の花が咲いていました

千紀園のございます滋賀県草津市では、9月になっても最高気温が30度を超える暑い日が続きます。
とはいえ、朝起きた時に感じる空気は、爽やかになってきました。

千紀園草津本店の庭の植物たちは、長い夏に強い日差しを受け続けて、少々ばて気味です。
そんな厳しい天候の中でも、秋明菊(シュウメイギク)の花が咲いていました。

秋明菊の全体写真


薄赤紫色をたたえた、八重咲きの花。
やや湾曲しながら伸びた花茎は、繊細な工芸細工のようです。

千紀園本店にお越しの方は、探してみてくださいね。

秋明菊のアップ写真


秋明菊ってどんな花?

秋明菊はキンポウゲ科の多年草で、古い時代に中国から入ってきたと言われています。
野生化したものが京都の貴船地方に多く自生したことから、貴船菊(キブネギク)の別名も。

「菊」の名前がついているものの、菊ではなくアネモネの仲間です。

色は白、薄赤紫、濃桃色などがあり、一重咲きのものと八重咲きのものがあります。

また、繊細な見た目とは裏腹に大変丈夫な性質を持ち、地下茎で増えていきます。

江戸時代中期に出版された『艸花絵前集』や、江戸時代後期刊行の『本草図譜』にも、秋明菊の記載があります。

草花絵前集の秋明菊
国立国会図書館デジタルコレクション 伊藤伊兵衛 [画] 武陽染井之野夫 [編] 須原茂兵衛『艸花繪前集』[3]部分



本草図譜の秋明菊の絵
国立国会図書館デジタルコレクション 岩崎常正『本草図譜』部分


茶花としての秋明菊

秋明菊は、秋の茶花としてもよく用いられます。
花が少なくなる晩秋には貴重な植物で、美しく存在感のある見た目でお茶席に彩りを添えます。

秋にお茶席やお稽古にお出かけになる方は、秋明菊を目にされるかもしれませんね。

 2025.9.12

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