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ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)
ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)の基礎知識
ふくさは、点前の中で道具を清めたり、釜の蓋をとるときに使う布です。
茶道では、ふくさを服紗や帛紗と表記します。袱紗という表記は使いません。
大きさは縦が約28.5cm、横が約27.5cmです。
服紗を腰につけるのは、亭主です。一方、客は着物の胸元に服紗を懐中しておきます。
ふくさの布地は、正絹だけではなく人絹の服紗もあります。
正絹(しょうけん)とは本物の絹糸のことです。塩瀬(しおぜ)か羽二重(はぶたえ)などの生地で作られます。
一方、人絹(じんけん) は、絹糸に見立てた人工的に作られた合成繊維です。
光沢やしなやかさが違うので、点前の時にはさばきやすさも変わります。
ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)の選び方
ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)の重さは匁(もんめ)で表記しています。
匁は重さの単位で、1匁は3.75グラムです。5円玉1枚の重さは3.75gと同じです。
つまり、匁の数が大きくなるほど、生地の厚みと重さがあり、しっかりしたものになります。
おすすめは、正絹帛紗 8匁です。老若男女問わず、さばきやすいです。
人絹(合成繊維)や 薄い帛紗は、あまりおすすめしておりません。
実は、生地の重さである匁(もんめ)がひとつ違っても300円ほどの価格差です。
長く使えることもあり、価格の高い安いだけで決められないことも大切です。
初心者の方が一からお稽古するのでしたら、正絹帛紗 7匁がさばきやすいので一番におすすめします。
初心者の方は、あまり大きい数字の帛紗を選ばれるとさばきにくいでしょう。
最初は茶道の稽古で、ふくささばきを何度も繰り返し練習しますので、慣れない中でのさばきやすさは重要です。
初心者の方には正絹帛紗 8匁もよいですが、お稽古に慣れてこられてから検討されてもよいでしょう。
お稽古が進むにつれ、さばきやすい帛紗、好みの服紗が出てくると思います。
ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)の色
色についてですが、男性は紫、女性は朱か赤を使用します。
女性の方は、表千家では朱色、裏千家では赤色を主に使用されています。
最近では、鮮やかな色の帛紗も存在しますが、流派やお稽古場により使える色が異なりますので、事前に先生やお稽古場の先輩にご確認ください。
様々な和の伝統色が存在します。素敵な色合いですので、お好みに合わせてお選びください。
A.藤色 B.薄紫 C.紺 D.エンジ E.ピンク F.水色 G.ブルー H.薄若 I.緑 J.黄色 K.クリーム L.金茶 M.ローズ N.銹朱(さびしゅ) O.紫 P.朱 Q.赤
ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)の手入れ
服紗は、基本的に濡らさないようにしましょう。
正絹の帛紗は、ご家庭で洗うと確実に縮みます。洗濯機はもちろん手洗いでも縮みます。
正絹の帛紗は縮んだりよれたりすると、布地の手触りのやわらさが無くなり、感触が良くありません。
使い服紗は、道具の片付けの際に茶杓をふきます。建水の上で服紗を上から軽くはたいて茶を払いますが、どうしても抹茶が残ります。
お稽古の後に、ご自宅で改めて はたくなどして表面についた抹茶を取り除いてください。
帛紗を変えるタイミングは、一般的に1~2年です。
また、年始の初釜に新しいものに新調される方も多いです。
茶会の濃茶の席で、流派によってはご自身の帛紗を使う場面もあります。
お稽古時とは違う綺麗な帛紗をお持ちください。
大切なお道具を清めるための服紗です。汚れがついていれば、買い換えましょう。
洗えるふくさ(服紗・帛紗・袱紗)が存在します!
実は、ご自宅で洗える ふくさ(服紗・帛紗・袱紗)が存在します!
その名も「洗える帛紗 絹 100%」です。
「洗える帛紗」は絹に防水、防収縮加工(セタノーベル加工)を施した帛紗です。
水洗いか、または中性洗剤をご使用のうえ、手洗いをしてください。
洗濯やご使用をなさっているうちに、生地が1~3%縮みます。そのため使い始めは、わの方向が約1cm長くなっています。